会長のご挨拶
本会は,麻酔・集中治療および疼痛領域における神経科学に関する基礎的及び臨床的研究を通じ,会員相互の連携を深めるとともに,本領域における臨床・教育・研究の発展に寄与することを目的に設立され格式の高い学術団体です。現在は会員数が300名を超え,全国の神経麻酔・神経集中治療・疼痛管理領域の神経科学に関する専門家が,これらの領域の臨床面での質や安全性の担保・向上や,臨床ならびに基礎研究等について議論を交わす貴重な場になっています。また,近年は,若手麻酔科医の先生たちにとって,学術交流の中核としてこれらの領域を広く学ぶ機会を提供できる組織として発展しています。
そのような歴史があるJSNACCの大会長を拝命させていただけることは,私自身のみならず,私を育ててくれた栃木県足利市にとっても大変光栄なことと考えています。そのような思いで,第27 回JSNACCを我が街“足利市”で開催させていただくこととしました。足利市は,皆さんご存じのとおり,日本最古の学校である足利学校がある歴史の古い街です。足利学校は,室町時代から戦国時代にかけて,日本における事実上の最高学府と称され,全国から多くの来学徒があり,足利市において日本の学びの礎が築かれたとされています。そのため,第27回JSNACCのテーマを“学びの「原点」足利で、神経麻酔集中治療を学ぶ”とさせていただきました。
現在,第27 回JSNACCの開催に向けて鋭意準備していますが,新型コロナウイルス感染症の蔓延状況が続いている状況では,どのような形式での開催が可能かどうか不透明なところです。現時点では,会場となる足利市におこしいただき,対面で熱く議論できればと考えています。しかしながら,新型コロナウイルスの蔓延状況,会員の皆様の施設のご事情などもあるかと思いますので,開催形式においては,参集できない演者の方々の事前収録,当日現地参加できない方々へのオンデマンド配信などで対応できるよう,状況に応じて柔軟に対応していきたいと考えています。
私共も,例年と変わらぬ活気溢れた会にできるよう工夫を凝らして準備していくつもりですで,何卒よろしくお願い申し上げます。末筆になりますが、JSNACCが新型コロナウイルス感染症にも負けず,今後さらに発展することを心から祈念しております。
2022年10月吉日
第 27 回日本神経麻酔集中治療学会大会長
山口 重樹
(獨協医科大学麻酔科学講座 主任教授)