大会長のご挨拶

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大会長 山口重樹

 画一的、形式的な運営に流れることなく、会員相互の自由な意見交換の場であり、慢性疼痛の研究を通じて、その病態の解明と診断への貢献について研究成果を社会に還元し、市民の健康増進や福祉に役立たせ、更に会員相互の親睦を図ることを目的として発足した日本慢性疼痛学会は、既に40年の歴史を積み重ねています。本会の会員の職種は医師、歯科医師、薬剤師、看護師、理学療法士や鍼灸師など多岐にわたり、専門分野も麻酔科、心療内科、精神科、整形外科、脳神経外科、東洋医学、看護学などと幅広く、あらゆる側面から慢性疼痛が検討される学会を目指し、情報交換、様々な議論の場を設けるべく年1回の総会が開かれております。

 そのような歴史のある日本慢性疼痛学会の第53回の大会長を拝命させていただけることは、私自身のみならず、私を育ててくれた獨協医科大学や足利市にとっても大変光栄なことと考えています。今回の開催地である足利市は、皆さんご存じのとおり、日本最古の学校である足利学校がある歴史の古い街です。足利学校は、室町時代から戦国時代にかけて、日本における事実上の最高学府と称され、全国から多くの来学徒があり、足利市において日本の学びの礎が築かれたとされています。そのため、第53回日本慢性疼痛学会のテーマを“学びの「原点」足利で慢性疼痛を学ぶ”とさせていただきました。

 現在、本会の開催に向けて鋭意準備していますが、新型コロナウイルス感染症の蔓延状況が続いている状況では、どのような形式での開催が可能かどうか不透明なところです。現時点では、皆様には会場となる足利市におこしいただき、対面で熱く議論、情報交換、新たな学びの機会にと考えています。しかしながら、新型コロナウイルスの蔓延状況、会員の皆様の施設のご事情などもあるかと思いますので、開催形式においては、参集できない方々のために、現地開催とオンデマンド配信によるハイブリッド開催を計画しています。状況に応じて柔軟に対応していきます。

 私共も、例年と変わらぬ活気溢れた会にできるよう工夫を凝らして準備していくつもりですで、何卒よろしくお願い申し上げます。末筆になりますが、日本慢性疼痛学会の会員の皆さまが新型コロナウイルス感染症にも負けず、今後さらに発展することを心から祈念しております。

第 53 回日本慢性疼痛学会大会長
山口 重樹
  (獨協医科大学麻酔科学講座 主任教授)